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Narrative Grids
2017.4.1 (土) - 30 (日)
オープニングレセプション:4.1 (土) 18:00 -
*隣の駒込倉庫 KOMAGOME SOKOにて開催されるグループショー「Spring Fever」展との合同オープニングパーティー
同時期開催: Pattern, Quiet, Repeat, Simple 2017年4月6日(木) ー22日(土) switch point
ギャラリーこけら落とし展以来1年半ぶり、2回目となる、ペインター 髙木 大地(たかぎ・だいち)の個展「Narrative Grids」を開催いたします。
本展で発表する髙木の新作には、2016年のオランダ、ロッテルダムでのレジデンス滞在中の影響が見られます。街中の壁を彩るタイルや洋服のパターン、広告や印刷物、建築様式におけるリズムなどの具体的なイメージから発想し、展開されます。髙木は絵画制作の中で、そうした異国のカルチャーに対し、ノンネイティブだからこそ享受できる美的感覚や経験を、自由に再解釈し再構成を試みています。その姿勢は、現代を生き日本で制作する画家の一人として、西洋において脈々と続く絵画の歴史にいかにアクセスするかということでもあるのです。
5つのキャンバスが縦に連なった新作「Composition (De Hooch)」(2017, oil on canvas, 213×45.5cm)は、オランダの画家ピーテル・デ・ホーホの作品『陽の射す部屋でトランプに興じる人々』などから発想を得ています。そこに描かれている床のタイルの形や、窓にかかるレースのカーテンの模様、遠景に見える建物の装飾などが絵画のリズムを作り出しています。17世紀に繁栄を極め、黄金時代と呼ばれたオランダには世界中から珍品・貴品が集まり、それを背景として美術においても画期的な発展を遂げ、オランダ風俗画が誕生しました。そこに描かれている市民の生活を彩る日用品の中にはアジアに由来する装飾が施されたデザインも多く見られ、東西のデザインが融合されていたことがわかります。このような歴史に育まれたオランダの人々の豊かな精神は、鮮やかな色彩とシンプルな構図に落とし込まれ、現在でも日々の生活に自然と溶け込んでいるのです。
モダニズムの時代、「Narrative」という言葉は軽蔑されながら、一方で「Grids」は絵画の自律性・根源性を支える大事な要素とされていました。展覧会タイトルとしてこの2つの言葉を組み合わせる意図には、髙木の日常と地続きの精神性・人間性を抽象的な形態や色に落とし込む絵画制作によって、彼の求めている「掴みたい感覚」に近づけたいという願いが含まれています。
髙木の個展は、KAYOKOYUKIとswitch point(国分寺)の2つのギャラリーにて同時期開催されます。それぞれのスペースで作品の性質を分けてご紹介いたします。是非ともあわせてご高覧ください。
1982年岐阜県生まれ。
「Periphery」Foundation B.a.d(オランダ、2016)、「クール・インヴィテーションズ 2」XYZ Collective(東京、2015)、「絵画の在りか」東京オペラシティ・アートギャラリー(東京、2014)、「ダイ チュウ ショー 最近の抽象」府中市美術館 市民ギャラリー / LOOPHOLE(東京、2013)、「SSS-expand painting」MISAKO & ROSEN(東京、2010) など。
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