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“Hundredth Monkey”
2015年9月26日(土) - 2015年10月25日(日)
オープニングレセプション:9月26日(土)18:00-20:00
髙木大地(たかぎ・だいち)は 1982 年岐阜県生まれ、近年は「絵画の在りか」東京オペラシティ・アートギャラリー(東京、2014)、「ダイ チュウ ショー 最近の抽象」府中市美術館 市民ギャラリー / LOOPHOLE(東京、2013)、「SLASH/08 醒めない蜜の味をちょうだい curated by KAYOKOYUKI」waitingroom(東京、2012)、「SSS-expand painting」MISAKO & ROSEN(東京、2010) など数多くの展覧会に参加し、意欲的に発表を続けています。神奈川県在住。http://daichitakagi.com/
唐突に切り取られたモチーフや分断された画面、安易なイメージの連想を回避するように並べられた峻烈な色彩や、オーソドックスな静物画を思わせるグラデーション技法。画面上で構成されるそれらは、観る人の注意をひきつけ、「謎」や「野 蛮さ」、「妖しさ」のようなものを感じさせます。髙木大地の制作する絵画には、線や面、形、色彩の選択、筆致やその痕跡が残るテクスチャーにいたるまで、絵画と周囲をとりまく状況とを結びつけるための様々なトリックが潜んでいます。
展覧会タイトルの「Hundredth Monkey」(百匹目の猿現象)とは、ライアル・ワトソンが生物学の領域で創作した物語のことで、猿の群れの中で広まった一つの行動が、一定数を超えることで、場所を隔てた別の同種の群れの中でも伝播するといった超常現象を指します。髙木は、こういった共時性はこと絵画においても、道具と方法論がある程度 限定されている以上、「既知の何かに似る」ということは避けることのできない画家の宿命であるとする一方で、人間の本質的な感覚 や想像力が、似た思考や創造物を生み出す可能性、あるいは、同じようなパラダイムにいる人同士が共鳴する可能性として積極的に受け入れています。髙木の目指す絵画とは、そういった歴史的な絵画の流れと向き合っていくと同時に、絵画の外側にある問題(自身の性質、環境など)をいかにして絵画空間にとりこみ関係づけていくかという、本来 絵画が持つ可能性の探求と実践の中にこそあるのです。