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peak 3601
2019.11.9 (土) - 24 (日)
オープニングレセプション:11.9 (土) 18:00 - 20:00
あいちトリエンナーレ2019でご好評いただいた新作「peak 3601」を、東京にてお披露目展示いたします。短い期間となりますが、この機会にぜひとも足をお運びください。
今村洋平は、学生時代から一貫し、版画のシルクスクリーンというアナログな複製技術から、樹脂性のオイルインクを数百回、数千回と重ねる行為によって彫刻的な作品を制作しています。インクが通過する穴を、特殊な乳剤で直接スクリーンに描いて埋めていきながら版を作り、複雑な幾何学模様や、山脈の形状を作り出します。
新作「peak 3601」は、2016年の年末に制作を開始し、2019年の7月末まで、約2年半の歳月をかけて完成され、今村のこれまでの作品の中で最大サイズとなりました。タイトルの3601という数字は、インクを刷り重ねた全体の回数を示しています。完成に至るプロセスを記録した「log, peak」、「turn, peak」、「composition, peak」などの作品の中にも、今村による画期的なイノベーションと多くの試行錯誤が見てとれます。
「log, peak」は、メインピースを形成しているオイルインクの種類と、色と、重ねたレイヤーの数が記されたペインティングです。今村曰く、この記録を元に再制作する事が可能だという事です。カラーペンシルで描かれた文字の色は、約2年半に及ぶ制作期間の中で、その都度今村によってランダムに選ばれています。制作途中でパネルの下の部分が付け足され、記録はさらに側面まで及んでいます。右の側面に、最後の回数となった「3601」と記されています。
「turn, peak」は、メインピースを制作する為に制作した、120種類ある版の図柄それぞれを、計88枚の紙にプリントした作品ものです。1種類の図柄だけがプリントされているピースもあれば、2種類の図柄が重ねられたピースもあり、制作過程の中で画面のバランスを見てランダムに決定されています。画面に記されている番号は、そのピースにプリントされている版が何回目のものか、を示しています。前述の「log, peak」の記録と照らし合わせることで、メインピースのどのレイヤーを形成している版か、色か、という事がわかります。
「composition, peak」は、メインピースの下絵となったドローイングで、この設計図を元に、版の数や配置が決定されています。版の数と同じく、120種類のアクリル絵具によって色分けされています。
1978年福岡県生まれ。
「あいちトリエンナーレ2019 -情の時代」(愛知、2019)、「点と線の宇宙」藤沢市アートスペース(東京、2019)、「live printing」KAYOKOYUKI(東京、2016)、「CSP2 -手法の触感-」桑沢デザイン研究所(東京、2014)、「泉太郎キュレーション・有袋類」TALION GALLERY(東京、2012)、「camaboco 展」東京造形大学(東京、2010)、「Draw print book」esplanade(シンガポール、2008)、「ZOKEI賞」受賞(2003、2004)など。
神奈川県在住。