エヴェリン・タオチェン・ワン EVELYN TAOCHENG WANG

Artist bio

An Organic Day -有機的な一日
2024.1.13(土)-2.11(日)
オープニング&カタログ刊行記念レセプション:1.13(土)17:00-19:00
(17:30よりアーティストによる朗読パフォーマンスとサイン会)

I. M. Personally
オンラインストア

協力:モンドリアン財団

ライブパフォーマンス:2024.2.3(土)13:00-
恵比寿映像祭 2024 -月へ行く30の方法 / 東京都写真美術館

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ホランダの窓とサラダ / Dutch Window and Salad 2023 oil on canvas, 100 x 80 cm

この度KAYOKOYUKIでは、一昨年以来2度目となるエヴェリン・タオチェン・ワンの個展「An Organic Day」を開催いたします。また、同時期に東京都写真美術館で開催される「恵比寿映像祭2024 -月へ行く30の方法」にてライブパフォーマンスを行います。ぜひともこの機会にご高覧くださいませ。

オランダを拠点に活動する中国出身のアーティスト、エヴェリン・タオチェン・ワンは、絵画、ドローイング、書、パフォーマンス、インスタレーションなど、多様なメディアを使用し、断片的、逆説的な物語を記憶や想像力によって重層的に融合させた作品を制作してきました。中国からの移民としてオランダで活動するエヴェリンの作品は、彼女が身を置く社会的背景に深く根ざしており、ジェンダーや帰属、文化的アイデンティティといったテーマが横断的に扱われています。このような論争を招きやすいテーマに対し、エヴェリンは、男性/女性、西洋/東洋といった単純な二項対立的な手法を避け、独創的で詩的なユーモアによってアプローチし、「自己とは何か」という根源的とも言える問題と向き合い続けています。

本展「An Organic Day」は、油彩画、紙や絹本のドローイングという複数の異なる素材と手法による作品から構成されています。ここにはもちろん、西洋と東洋の絵画における美術史の根本的な差異が示されているといえます。しかし、エヴェリンはこれらを対立的に示すのではなく、異なる芸術的アイデンティティと素材を理解する可能性を体験するために拡張させています。 2点の「オランダ窓」の作品や「Wild Black Berry Picker」は、キャンバスに油絵具で描かれたいわゆる油彩画ですが、エヴェリンは、その素材感や視覚的受容を無理なく自然に紙に描かれた水墨画の佇まいへと変化させています。

エヴェリンの作品の多くには、超越的で深遠な表現と一見表面的で無関係なテキストが混在し、感情的、詩的、そして自伝的な表現が融合しています。多面的な現象としてのアイデンティティの概念と戯れ、個人的な経験を芸術や美術史についての思想と結びつけています。「自己とは何か」というテーマと向き合い、複数の表現媒体を扱いながら、それらを分け隔てることの正当性を疑い、その共存を積極的に受け入れてきました。

エヴェリンが彼女自身の記憶だけを頼りに描いた「窓」や「一日」は、私たちそれぞれの記憶にも接続し、誰もが一片の物語を共有できることを思い出させてくれるのではないでしょうか。

エヴェリン・タオチェン・ワン

1981年中国生まれ。中国で絵画を学んだ後、フランクフルトのStädelschuleを卒業。2012年より、De Ateliers(アムステルダム)のレジデント・アーティストとして2年間滞在。現在はロッテルダム在住。

主な展覧会に、個展「An Organic Day -有機的な一日」KAYOKOYUKI(東京、2024)、「恵比寿映像祭2024」(東京都写真美術館、2024)、個展「HET LICHT IS ROND」Dordrechts Museum、(ドルトレヒト、2023)、個展「参差的対照 An Equivocal Contrast」Rockbund Art Museum(上海、2023)、個展「HORIZONS」The Museum of East Asian Art in Cologne(ケルン、2022)、個展「Four Season of Women Tragedy」Art Institute of Chicago(シカゴ、2022)、「We, on the Rising Wave」釜山ビエンナーレ(釜山、2022) 、「Reflection Paper」 Kunstverein für die Rheinlande und Westfalen(デュッセルドルフ、2021)、個展「Sour Gnossiennes」Museum Abteiberg(ウィーン、2020)、個展「When I sought her along the river, she stood in the middle of the water」KevinSpace(ウィーン、2020)、「Risquons-Tout」WIELS(ブリュッセル、2020)、「Globale Resistance」Centre Pompidou(パリ、2020)、「In the Presence of Absense, Proposal for the Museum Collection」Stedelijk Museum Amsterdam(アムステルダム、2020)、個展「Spreading Elegance」FRAC Champagne-Ardenne(ランス、2019)など。ABN AMRO Art Award(オランダ、2019)、Dolf Henkes Prize(ロットルダム、2019)のほか、Dorothea von Stetten Award、Volkskrant Beeldende Kunst Prize(ドイツ、オランダ共に2016)受賞。

主な収蔵先に、Art Institute of Chicago(シカゴ)、Bonnefanten Museum(マーストリヒト)、Centre Pompidou(パリ)、Stedelijk Museum Amsterdam(オランダ)、FRAC Champagne-Ardenne(ランス)、Museum Abteiberg Mönchengladbach(メンヒェングラートバッハ)、Museum of Modern Art (MoMA、ニューヨーク)、Dordrechts Museum(ドルトレヒト)がある。

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