大田黒 衣美 EMI OTAGURO

Artist bio

the reverie
2022.11.2 (水) - 12.4 (日)
オープニングレセプション:11.3 (木・祝) 16:00 - 18:00

ART WEEK TOKYO 2022
11.3 (木) - 6 (日) 10:00 - 18:00

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大田黒 衣美 EMI OTAGURO Suncatcher 2022 Gouache on pocket tissue, 8×13×1cm

この度KAYOKOYUKIは、大田黒 衣美(おおたぐろ・えみ)による個展、「the reverie」を開催いたします。また会期の前半には、ART WEEK TOKYO 2022のバスが巡回いたしますので、ぜひともこの機会にご高覧くださいませ。

大田黒衣美はこれまでも、チューイングガムやビニールシート、トタン板といった私たちの生活に身近な大量生産品を素材として選択し、作品制作を続けてきました。肉体存在の不確実性や曖昧な自己認識を一貫したテーマとする大田黒の作品において、選択された様々な素材(あるいは素材を選択するという行為そのもの)は、個人という私的な存在と世界とが繋がるための役割を果たしています。

本展覧会「the reverie」では、木の端材やポケットティッシュに絵を描いた作品を中心に発表します。毎日のように通る道すがら、材木屋の前に置かれている端材。日々、増えたり減ったり、何らかの直線に囲まれた四辺で出来上がった不揃いな四角形の板。大田黒は、端材を「本来の予定されたモノになる計画から逸脱された平面」と捉え、そこに現実世界とほんの少しズレた光景を描き出します。大仰な理想や狂的な妄想とは異なる、誰もが心に潜ませるほんの小さな空想や認識のズレ。そんな他愛もない、しかし人が生きていく上で不可欠な光景は、本来の目的から逸脱してしまった端材という物質性が与えられることで初めて、その頼りない存在を顕現させます。

「八月のある夕方、福岡にある実家の和室でウトウトしていると、窓から風が吹き込んできました。その風が自分の髪を揺らしているのを感じると同時に、床の間に飾ってあった掛軸が風に揺れているのが目にとまりました。」

本展覧会の構想のヒントとなったというこの体験は、大田黒に「主体/客体」の感覚を失わせ、ただひとつの茫洋とした空気が、自分・掛軸・空間全体を包含するように感じたといいます。私たちそれぞれの心に浮かぶ説明しがたい風景や、育った土地の風土に潜む独特の感覚。大田黒が紡ぐ個人的で曖昧で不確実な物語には、世界の根底と緩やかに繋がる可能性が用意されているのかもしれません。

1980年福岡県生まれ。東京造形大学美術学科絵画科専攻 概念表現研究課程卒業後、東京藝術大学大学院修士課程油画科修了。
2019年3月より、文化庁新進芸術家海外研修制度を受けベルリンを拠点に活動。現在は愛知県在住。
個展「the reverie」KAYOKOYUKI(東京 / 2022)、「DOMANI・明日展 2021」国立新美術館(東京 / 2021)、個展「MESA」クンストラーハウス・ベタニアン(ベルリン / 2020)、「MAT, Nagoya Studio Project vol. 6」Minatomachi POTLUCK BUILDING(愛知 / 2020)、「グループショー」大野智史スタジオ(山梨 / 2018)、「THE ECHO」高崎シティギャラリー (群馬 / 2016)、個展「project N 55」オペラシティ・アートギャラリー (東京 /2014)、「TRICK-DIMENSION curation: 大庭大介」tolot:heuristic SHINONOME (東京 / 2013)、「四式 curation: O JUN」遊工房アートスペース (東京 / 2010)など。「ALLOTMENT トラベルアワード2016」、「アートアワードトー キョー 2008」にてグランプリ受賞など。