西村 有 YU NISHIMURA

Artist bio

Around October
2020.10.24 (土) - 11.29 (日)
水曜日-土曜日 12:00-18:00 / 日曜日 12:00-17:00
月・火・祝祭日休

*オープニングレセプションはございません。また、駒込倉庫での展示は11/15(日)までとなります。ご来場の際は、マスク着用・アルコール消毒のご協力をお願い致します。 発熱や咳等の症状のある方、体調のすぐれない方はご遠慮ください。また展示室内の密集を避けるため、入場制限を行う場合がございます。

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西村 有 YU NISHIMURA paddy 2020 oil on canvas, 80.3 × 100 cm

 この度KAYOKOYUKIでは、西村 有(にしむら・ゆう)の3年ぶりとなる個展「Around October」を開催いたします。また、パリのCrèvecœurでも個展が同時期開催されます。

 日常の何気ない風景やクローズアップした人物、鳥や猫、果物など、西村有は、身の回りの様々なイメージを用いて、記憶の奥底に刻まれた断片を画面上に複雑に重ね合わせることで1枚の絵画を構築します。西村の絵画に対峙するとき、鑑賞者は西村の記憶のイメージと共鳴し、誰もが子供の頃に持っていたはずの自分だけの秘密の風景が呼び覚まされることがあります。繊細な色彩と奔放な筆致によって生み出される、曖昧でありながら率直な純粋さを湛えた画面は、鑑賞者に積極的な解釈を促す豊かな表現を実現しています。

 本展覧会では、これまでの透明感のある色彩と幾重にも重ねられた輪郭線による繊細な作品に加え、濃密な色彩とくっきりと区切られた境界線を持つ、より抽象度の高い作品も展開されています。この展開には、西村が制作する際に「人やモノを、外側の形をシルエットのように描き出すことによって、その実体を捉えたい」という態度がより顕著に反映されているといえます。また、本展覧会では「自分が知覚していない時間」「異なる複数の時間」をひとつの空間に表現することも目指されています。作品の中に登場する人物や猫や鳥や虫、車や船やサッカーボールといったモノに至るまで、どんなモチーフにも、それぞれが主体となる時間が存在し共存している。我々がはっきりと理解できる時間、なんとなく感じることができる時間、さらには、まったく想像もしたことがないような時間が西村の作品の中には曖昧なままに描き出されているのです。

 本展覧会「Around October」のタイトルにもなっている10月という季節を、西村は「移ろいやすく不安定な季節」であり、1年の中で自分にとって、もっとも「しっくりくる」季節であると言います。暑くもなく寒くもない季節、あるいは暑くもあり寒くもある季節。そんなどちらともいえない曖昧な「Around October」は、その不完全さゆえ、明確には示されていない何かを我々に想像させるのです。

1982年神奈川県生まれ、在住。
個展「Around October」KAYOKOYUKI(東京、2020)、個展「scene of beholder」Galerie Crevecoeur(パリ、2020)、「VOCA 展 2019」上野の森美術館(東京、2019)、「ACT Vol. 1 -霞 はじめて たなびく」トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)本郷(東京、2019)、個展「アペルト09 西村有 -paragraph」金沢21世紀美術館(石川、2018)、「あざみ野コンテンポラリーvol.9 –今もゆれている」横浜市民ギャラリーあざみ野(神奈川、2018)、「CONDO 上海」GALLERY VACANCY(中国、2018)、「21世紀の美術 タグチ・アートコレクション展」平塚市美術館(神奈川、2018)、「MISAKO & ROSEN キュレーション展 -夏の扉」シェーンキャンベルギャラリー(シカゴ、2017)、「絹谷幸二賞2017」受賞、「FACE 2016 損保ジャパン美術賞 絵画のゆくえ(優秀賞)」損保ジャパン日本興亜美術館(東京、2016)、個展「project N 61」東京オペラシティーアートギャラリー(東京、2015)、「シェル美術賞 2013(保坂健二朗審査員奨励賞)」国立新美術館(東京、2013)、「第6回はるひ絵画トリエンナーレ(奨励賞)」清須市はるひ美術館(愛知、2009)など。