野沢 裕　YUTAKA NOZAWA

Artist bio

“li”
2015年10月30日(金) - 2015年11月29日(日)
オープニングレセプション：10月30日(金)18:00-20:00

野沢 裕 YUTAKA NOZAWA　◯　2015, gelatin silver print, acrylic photo-mounting, 100×100 cm

　カーテンを揺らす風や窓に見上げる鳥の往来など、都市の生活に吹き込むわずかな自然をとらえる野沢裕の作品は、写真・ 映像によってサンプリングされ、始まりと終わりをもたない時間のループを生みだしています。故意に生み出した状況と 偶然性の呼応をユーモラスにあらわす野沢の手法は、記録された平面性と三次元に立ち上がるインスタレーション空間と いう二つの場所を掛けあわせ、何気ない光景を介して鑑賞者の記憶へと接続していきます。

　KAYOKOYUKI での初個展となる本展「li」は、定点カメラでとらえる電灯とそこに飛来するカラスの映像にはじまります。 一見身動きのないカラスは映像と写真の境界を失い、移動先でみる日常の光景によって静と動の掛け引きがいっそう強調 されています。いつかどこかでみた記録の断片が、長い道のりをへて再び立ちあがり、時の進行を惑わすミニマルな空間 を生み出しています。

　野沢 裕(のざわ・ゆたか)は、1983 年静岡県生まれ。東京造形大学造形学部美術学科を経て、東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。2014 年IED デザイン大学マドリード校にて MFA(写真)取得。近年は「L」UTRECHT（東京、2015）、「→■←」Intercambiador ACART(マドリード、スペイン、2014)、「“Triunfo y poesía...” International Exhibition of experimental Video」Galería Santa fe- La Decanatura(コロンビア、2014)、「COVERED TOKYO:Hikarie, 2014」渋谷ヒカリエ(東京、 2014)、「むすびじゅつ」静岡県立美術館(静岡、2013)など国内外の様々な展覧会に参加するほか、「ワークショップ:一 く w 八 L ニ」静岡県立 美術館(静岡、2015)、「PORTFOLIO DAYS & NIGHT - A Place for Contemporary Photography」Centre national de l’ audiovisuel (CNA)(ルクセンブルグ、 2014)などのレクチャーイベントにも参加。静岡県在住。http://www.yutakanozawa.com/